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丹澤校長メッセージ36 (56期生 高等学校卒業式式次 ~広い世界を見てください~)

2021.02.19 丹澤校長メッセージ

Congratulations on your graduation day today, the fifty-sixth year of ASSUMPTION KOKUSAI.

Today is an important day for you just as it is for us.  We celebrate the end of an important stage in your education and the beginning of a new one that will be exciting and even more challenging.

We wish you all the best for the future/ hoping that the seeds of Assumption Education that we planted in you/ will grow and bloom/ to become the adults who will make a difference wherever you may be.

 

 

保護者の皆さま、お子さまのご卒業、誠におめでとうございます。

コロナ禍のため、例年とは異なる簡略化した形とはなりましたが、お子さまの立派に成長した姿を見ていただき、ご一緒にお祝いできますこと大変嬉しく思います。教職員一同、3年間にわたり皆さまからの学院へのご理解とご協力に感謝申し上げるとともに、心よりお慶びを申し上げます。

 

卒業生の皆さんにとって、最後の高校生活は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言から始まり、2回目の緊急事態宣言が解除されないまま終わりを迎えます。

海外留学をしていた方は、突如学校が休校となり帰国してきましたね。ちょうど昨年の今頃の皆さんが修学旅行を終えたころに、日本でも新型コロナウイルス感染者が出たというニュースが流れ、“ 新型コロナウイルス ” の正体も判らぬまま手探りの状態で世界中が動いていました。そして、徐々に正体も判り、ワクチンも開発され、私たちの手元にも届きはじめ、世界が一つとなり終息を目指しています。

 

本校も、ここまで何とか感染者が出ることなく教育活動を続けることができ、卒業式を無事挙行できることは、皆さんの協力と神様に守られている証です。

卒業生の皆さんの学年は「誠実・隣人愛・喜び」の心の在り方そのもので、素直で、心優しく、分かち合いの精神がある学年です。男女共学の2年目の学年ですが、上手に男女の差異を認め合い、お互いのできるところを補いながら学校生活をしていた印象があります。これは、本校の教育理念である「LIFE、TRUTH、FREEDOM、GOODNESS、ONENESS」である、「エネルギッシュに誠実で、自分らしくポジティブに多様性を認める人」の在り方そのものです。

特に、そのように感じたことは、学校説明会で、後輩を迎えるためのお出迎えや時にはマイクを持ち司会やプレゼンをしてくれるなど、学校の素晴らしさを紹介してくれている姿は、堂々とエネルギッシュで生き生きとしていました。

また、皆さんが覚えているかどうかわかりませんが、高校1年生の学院祭の日の出来事です。各教室のごみ箱を保健室の前に集め、学院祭終了後に各クラスに持ち帰るという場面がありました。その時に、この学年の生徒が保健室前からなんと全クラスのごみ箱にビニールをかけ、さらに各クラスに持って行ってあげていました。そして、次の日小学校でイベントがあるからと学院祭終了後に北門を水で綺麗に洗い流してくれました。

自主的に行ってくれているその姿を見て、「なんて、分かち合いのある素晴らしい生徒たちだな」と感心し、この分かち合い精神が高校1年生からあれば、まっすぐに成長していってくれる学年だと確信していました。

その確信は、ポーランド修学旅行に同行した時も実感しました。常に自分本位な行動ではなく、友達への思いやりを持った隣人愛の精神に基づいた行動がとられていました。次に、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、色々と規制される中、皆さんは創意工夫をしながら行事に取り組み、2部制の球技大会、野外学院祭など、下級生も一緒に楽しめ、先輩として逆境に置かれても立ち向かい前進する事の大切さを伝えてくれました。

 

さて、卒業は、新たな挑戦のはじまりです。

高校までは皆さんの傍に、友達・先生・保護者がいて常に守られていました。時には、少し道から逸れそうになれば、元の場所に戻してもらえていましたし、与えられた勉強をこなしていけば、自然と成績も向上したはずです。しかし、これからの「学び」は、自分自身の強い意志と適切な選択によって取り組むものです。高校の時のようにもう欠席しても電話はかかってきませんし、成績が下がっても呼び出されることはないです。これからの人生は自分の責任で歩まなければなりません。

 

今の世界中で起きていることは、「私たちの生きる世の中がどのようなものであるか」を考える材料、すなわち「未来は予測不可能」であるということを教えてくれました。皆さんは、これを高校生のうちに経験することができ、社会に出て逆境におかれた時でも生き抜く力の源である、思考力・想像力・判断力の必要性をここアサンプション国際で学べたはずです。

これが「アサンプションPBL」です。

その日だけを生きるのではなく、未来を生きぬく力です。「どんな時代であっても自分自身の力で立てる人であれ」ということです。そして、アフターコロナを生きる皆さんは、より複雑で変化の激しい時代に進んで行くことになります。皆さんがこの4月から大学に入学しても、学部によってはまだ授業がリモート中心で行われているところもあると思います。本来なら、盛大な入学式・授業・クラブ活動などで新しい仲間との出会いが待っていることでしょうが、かなりの規制がかかっています。どうか、ここで養った生きる力を礎に、ぶれることなく、自分を見失わずにしっかりとした自分を持って欲しいです。困ったときは、きっと今の仲間の存在が助けてくれることがあります。仲間は皆さんの財産です。

 

最後に先生が好きな言葉を捧げます。

マタイによる福音書7章にはこう書かれてあります。

 

求めなさい。そうすれば、与えられる。

探しなさい。そうすれば、見つかる。

門をたたきなさい。そうすれば開かれる。

だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。

 

心の扉を閉めるのも自分、開けるのも自分です。さあ、勇気と自信を持ってここから巣立っていって広い世界を見てください。

 

そして、創立者:聖マリー・ウージェニーの教え通り、「自分らしい花を咲かせましょう」。ここアサンプション国際は皆さんの居場所ですので、困ったとき、心が折れそうなとき、助けが必要なときはいつでも戻ってきてください。

 

 

最後にお願いがあります。今日、卒業し成人の仲間入りをしていくけじめとして、ここまで育ててくださったご両親に「ありがとう」の感謝を、お家に帰ったら必ず言ってください。子育ては多くの喜びと同じくらい悩みや忍耐などがあるんですよ。立派に成長した皆さんは、ご両親にとって自慢の子供です。

それでは、卒業生の皆さん、新たな一歩とそれに続く輝かしい未来に、心から期待して、式辞とさせていただきます。

ご卒業、誠におめでとうございます。

 

2021年2月19日 アサンプション国際高等学校 校長 丹澤 直己

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