WEB校長室
丹澤校長メッセージ111(9月1日 ~行事は人を育てる~)
2025.09.01 丹澤校長メッセージ
いよいよ新学期が本格的に始まりました。
朝の挨拶で、皆さんから笑顔で「お久しぶりです」「お元気でしたか」「髪の毛を切ったんですね」など、声を掛けて来てくれることは、先生にとって励みになり、大きな喜びです。夏休みの間に、それぞれが経験したこと、学んだこと、感じたことは皆さんの財産です。それを胸に、この2学期を新たな気持ちで歩み出してほしいと思います。
さて、9月には皆さんがとても楽しみにしている行事が二つあります。ひとつは合唱コンクール、そしてもうひとつは体育祭です。どちらもクラス対抗で臨む大きなイベントです。
今日は、「行事は人を育てる」と言います。その「育てる」の意味をお話します。
合唱コンクールでは、声を合わせること、呼吸を合わせることが大切です。ただ歌うのではなく、クラスの仲間と心を一つにしてハーモニーを生み出す。その過程で、きっと自分の声の小ささや大きさ、音の高さや低さを意識するでしょう。自分一人では完成しないけれど、自分がいなければ全体も成り立たない。そこに「自分の存在意義」があります。
体育祭も同じです。リレーや競技で一人ひとりの力が試されますが、それ以上に大切なのは「チーム」として走り切ることです。バトンを受け渡す時、仲間を信じ、仲間に託す。その瞬間に、自分の役割の重さと仲間との絆を感じることができるでしょう。
行事に参加するとき、私たちはつい「勝ちたい」「自分が、、、」と思いがちです。しかし、本当に大切なのは、仲間と調和を取り、互いを思いやることです。クラスの一人ひとりが心を寄せ合ってこそ、喜びも達成感も大きくなります。そしてその経験は、これから先、皆さんが社会に出て、人と協力し合うときの大きな財産になるのです。その為に、この様な行事があります。
アサンプションの精神は、「自分を大切にし、他者を思いやり、共に生きる」ことにあります。行事はその精神を体験する、絶好の機会です。歌声を重ねるとき、バトンをつなぐとき、皆さんの存在は決して小さくありません。神さまは一人ひとりをかけがえのない存在としてここに置いてくださっています。
どうかこの9月の行事を、単なるイベントとして過ごすのではなく、「仲間と共に神さまの前で『つながり』を感じる時間」として大切にしてください。自分のためだけでなく、友達のために、クラスのために力を出す。その積み重ねの中で、皆さん一人ひとりの存在意義が輝いていくことを、私は心から願っています。
それでは、2学期も笑顔と共に、アサンプションの精神を生きながら、充実した毎日を歩んでいきましょう。
2025年9月1日
学校法人 聖母被昇天学院
アサンプション国際中学校高等学校 校長 丹澤 直己