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江川校長メッセージ特別編その2

2016.09.17 江川校長メッセージ特別編

みなさん、こんにちは。校長の江川です。 本学院は「21世紀型教育」と名付けた教育改革を進めています。その教育改革として掲げている3本柱の一つが「英語イマージョン教育」です。英語イマージョン教育の“イマージョン”とは、“水にどっぷりつかる”という意味があり、その言葉の通り、まわりが英語しかない環境に身をおき、英語を学びます。小学生から中学・高校と一貫した教育を行っている本学院では、小学1年生の授業からこの英語イマージョン教育を取り入れます。英語が必須科目である中学・高校生はもちろんのこと、近々、小学生も5、6年生で必須科目化の動きがあり、3、4年生では引き続き外国語活動の位置づけがあるため、英語イマージョン教育が将来に生かせる英語を身につけるために必要だと強く感じています。

現在、本学院の小学1~4年生は週2時間、5、6年生は週3時間の英語の授業を実施しています。英語イマージョン教育がスタートする来年度からは「英語」は週4時間となり、「算数」「理科」「音楽」「図工」、さらに「総合的な学習」の中でも英語を含む指導を実施します。 本学院の英語イマージョン教育は、文部科学省の学習指導要領に定められた教育の中で実施します。教材は文科省指定のものとイギリスやアメリカの生徒が学校で使用している教科書を併用し、内容ごとに使い分けて指導をします。現在、独自の英語イマージョン教育のプログラムを創設するため、教育社会学博士をイマージョン・コーディネーターとしてお迎えし、学習内容を作成しています。

英語教育は、「教える」のではなく「英語とおつきあいするという環境」をいかに学校側がつくるかが重要です。英語イマージョン教育を実施する上で大切なのが、学習初期段階における英語学習の重要性を小学校の教員にいかに深く理解してもらえるか。本学院では、小学校・中学・高校と一貫して、英語イマージョン教育について理解を深める研修を行い、来年4月からの導入に向けて準備をしています。

8月末に、本学院の小学校教員を中心に英語イマージョン教育研修を実施しました。その研修の中で、イマージョン・コーディネーターは次のようにお話しされていました。「日本の英語学習の現場ではネイティブ教員がいるにもかかわらず使っている言葉の90%は日本語で、これではネイティブ教員がいたとしても英語が身につかない状況だ。」さらには「外国語教育において同時に二つの言葉を教える「バイリンガル教育」ではなく、一つの言語に絞って教える「イマージョン教育」の方が一般的だ。」

英語イマージョン教育を行う場合は、教室にある張り紙なども英語にします。このように英語に「(どっぷりと)つかるような環境」を用意するだけでなく、児童・生徒が安心して学びに集中できるように、教え方のメソッドも確立されているのです。主なものが以下の4つです。

1.双方向の(インタラクティヴな)関係をつくる 教師が児童・生徒に一方的に話しかけるのではなく、まず、教師が児童・生徒に質問します。教師はできるだけ会話を膨らますように誘導し、児童・生徒がそれに答えることで双方向の(インタラクティヴな)関係を構築。アクティブラーニングの基礎を築きます。

2.生徒が安心して授業に取り組める環境をつくる 教師が、ミスを笑ったり、厳しくしかったりすると児童・生徒は萎縮してしまい、学びに集中することができません。例えば、わざと教師自身が間違ってみるなど、間違っても大丈夫ということを伝え、安心して児童・生徒が授業に取り組める環境をつくります。

3.「わからないことを一緒に考える」という雰囲気をつくる 児童・生徒が問いに対して答えられなくても、教師は児童・生徒に「わからない」と答えれば大丈夫であることを伝えます。そして、なぜわからないのかを生徒と一緒に考えるという雰囲気をつくります。これが問題解決型の授業展開の第一歩です。

4.日本語を使うのは最終手段 もし、児童・生徒に英語で話しかけたことが理解されなかった場合、すぐに日本語でフォローをするのではなく、教師が説明の仕方を変えます。例えば、身振り・手振りや絵を描くなど、別の方法を試し、できるだけ日本語を使わないコミュニケーションを試みるようにします。これにより、自らのことを相手に伝えることの大切さを教えます。

研修では、英語イマージョン教育のメソッドについての話だけでなく、「音楽」「美術(図工)」「数学」「理科(化学)」の各授業での実例をあげながら、教え方のアプローチについてのレクチャーもありました。「音楽」では歌を歌いながら英語の発音に親しんだり、「数学」では自転車や一輪車などの写真をみながら一番大切な「数の概念」について学んだりと、アニメーションや画像などを使い、子どもたちが興味をもってコミュニケーションがとりやすくなるような工夫がされていました。「美術」や「理科」では、教材としてWebサイトやアプリなどの生徒が学校外でも自主的に学べる教材を利用、それらはICT教育にもつながるものが多く、英語イマージョン教育を下支えする意義を強調されました。

これからさらに加速するグローバル社会を生き抜いていくために、英語でのコミュニケーション能力がますます重要となってくることは間違いありません。だからこそ、英語力を確実に身につけるためには、幼稚園や小学生からの早期イマージョン教育が大切です。本学院には早期英語イマージョン教育ができる環境があります。今後もこのような研修を重ね、校内での理解を深めながら、未来の子どもたちのためにも英語イマージョン教育を推進していきたいと思います。

アサンプション国際中学校高等学校 校長 江川昭夫