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江川校長メッセージ15(アサンプション国際高等学校 ~卒業式式辞~)

2017.02.21
江川校長メッセージ15(アサンプション国際高等学校 ~卒業式式辞~)
春の訪れはもう少し先のことですが、今日のこの日を迎えたみなさんに、心よりお祝い申し上げます。
卒業証書を授与された57名の卒業生の皆さん、ご卒業誠におめでとうございます。
 また、入学以来、今日まで卒業されるみなさんを支え、励ましてこられた保護者、ご家族の方にも心からお祝い申し上げます。それとともに、本学院に対するこれまでのご支援、ご協力に対し深く感謝申し上げます。
 さらには、ご多忙の中、晴れの式典にご臨席賜りましたご来賓の皆様にも篤くお礼申し上げます。

 卒業生のみなさん、本学院生活はいかがでしたか? 楽しいときには笑い、苦しいときには涙した、さまざまな場面が思い出されることと思います。そんなとき、みなさんのそばにはいつも友達、先生、そしてご両親をはじめとするご家族がいらしたことでしょう。
 みなさんの活躍は、今日、この式を迎えているその顔に実に美しく表れています。私にはなによりもそれが誇らしく感じられます。   
しかしながら、みなさんの活躍は決してひとりだけの力で成し遂げたものではないということも、また、忘れないでください。
 昨日の予餞会、中学生を含めた全校生徒での卒業生を送る会では最後に卒業生のみなさんが「旅立ちの日に」を素敵な歌声で歌って下さいました。その中に「意味のないいさかいに泣いたとき、心かよったうれしさに抱き合った日よ」という一節があります。こういう時を越えてきたこと、忘れないでください。
  
 本学院のモットーは「誠実、隣人愛、喜び」です。学院生活を送る日々のなかで、みなさんは常にこの言葉に出会って来たはずです。いつでも誠実でありつづけ、そばにいる人を愛し、それを喜びと感じ、先生を、友達を、ご両親・ご家族を愛し、同時に愛され、お互いに支え合ってきたからこそ、みなさんの成長はあったはずです。

 4月になれば、みなさんは新たな門出を迎えることでしょう。上級教育機関で、本当に興味のあることにいよいよ打ち込むことになるでしょう。学問の喜びを知り、探究し、それを人のために、社会のために役立てたいと考える日がやってくることでしょう。
 高校までは、ある意味では与えられた学習をこなしていけば、自然と成績もあがったはずです。成績という目に見える基準で競争するのはここまでです。これからの学習は、自分自身の強い意志と適切な選択によって取り組まなければなりません。同時に、本当の学問の楽しみ、喜びはここからはじまります。
 そして、その礎(いしずえ)はこれまでに培われたものであると、自信を持って欲しいです。しっかりとした土台はできました。それをもとに、それぞれがそれぞれの門を叩いて欲しいのです。

 いつの時代も激動の時代と言われます。みなさんが社会に羽ばたく2020年以降、本当の意味での激動の時代がやってくることでしょう。今、世界情勢は非常に不安定です。アメリカのトランプ大統領がイスラム圏7カ国からの入国禁止決定令を出し、物議をかもしていることは、みなさんもご存知のことでしょう。
 アメリカでは2001年に同時多発テロが起きており、多くの尊い命が失われました。とても悲しい出来事ではありました。その後、アメリカはイラクやアフガニスタンに報復をしており、それがさらなるテロを引き起こし、攻撃され、報復をする、という負の連鎖は今なお続いています。
 今回話題になったトランプ大統領による入国禁止令についても、不安定なグローバル社会の中で、少しでも危険なもの、自国に不利益をもたらすもの、を排除したいという考えからきているのではないでしょうか。そして、そんな彼の考え方に共感する人が多いからこそ、トランプ大統領は誕生したのではないでしょうか。アメリカのみならず、世界の人々の心にあるのは、安心ではなく、「不安」です。

 もちろん、自分の国を守るということは大事なことです。しかし、そのために、他の国は排除する、あるいは拒絶する、というのでは、いつまで経っても世界は平和にはなりません。排除や拒絶は必ず、次なる紛争につながるからです。

 今、歌った「校歌」の歌詞の最後は
「世界の友と 手をとりて 若い世代を 語りあい 
平和を守る ともしびを かかげて進む われらの学園」
です。いつもこの校歌がみなさんのまわりにあったこと、忘れないでください。
本学院のモット―「誠実、隣人愛、喜び」、これを卒業後も忘れないでください。その先の「世界の平和に貢献する人の育成」も心に刻んでおいて欲しいと思います。
難しく考えることなく、「自分とは価値観の違う人を拒絶しないでください。気が合わない、そんな人の言葉にも耳を傾けてください。」ということなのです。

 来年度よりアサンプション国際高等学校はアサンプション国際高等学校に名前が変わり、共学化、21世紀型教育が本格的に導入されます。みなさんが接していた学院のモット―や建学の精神が変わるわけではありません。今までの伝統を礎により向上していくものと考えていただければ幸いです。ですから、「アサンプション国際」になっても、教職員一同、みなさんをお待ちしています。

 昨日の予餞会でみなさんにお配りした記念品のタオルには卒業生57名全員のニックネームが書かれており、”ASSUMPTION 52nd” と大きく書かれていました。みなさんは「アサンプション」を持って卒業していかれるのです。

最後になります。
 新約聖書『ローマの信徒への手紙』15章7節には、
「キリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに相手を受け入れなさい。」
すべての出会いに感謝し、すべての人を愛してください。
 みなさん一人ひとりの力が、やがて大きな力となって、この世界に「平安」をもたらしてくれることを心より期待しています。

 以上をもちまして、私からの式辞といたします。

アサンプション国際中学校高等学校 校長 江川昭夫