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江川校長メッセージ特別編その4

2017.01.23
江川校長メッセージ特別編その4
みなさんこんにちは。校長の江川です。

1月17日(火)に、アルベール先生の協力の下、本学院の中学3年生10名の有志を対象とした「校長哲学教室」を行いました。哲学といっても、難しい話をするのではありません。今、街では「哲学カフェ」と称して大人の世界でも話題になっていることです。今回実施したのは「哲学対話」、与えられたテーマにそって互いに意見を交わし、答えを導き出すというというグループワークです。正解や結果を求めるのではなく、対話をする中で、物事に興味や関心を持っていただき、リーダーシップを育むことを目的としています。これも21世紀型教育が掲げるアクティブラーニングのひとつです。

今回のテーマは、本学院の姉妹校もあり馴染みのあるフィリピンのスモーキー・マウンテンというごみの山に集まる人の写真を見て何を感じるか。まずは、二人一組のペアになり「写真を見て気づいたこと」について、次に「写真の暮らしと自分の暮らしを比べてどんなことを感じるか」お互いに感想を述べ合い、それぞれが出した意見を全員で共有しました。私もアルベール先生とペアになり生徒の皆さんと同じように意見を述べさせてもらいましたが、一人ひとりの意見や問題と考えている部分が異なり、聞いている私もその発想力に驚かされました。

お互いの考え方や価値観の違いを共有したあとに、世界ではこの写真で見たような貧困の問題についてどのようなアプローチをしているのか、「グローバルゴールズ」を一例として話をしました。このグローバルゴールズとは、国連が「極度の貧困を根絶する」「不平等および不当な扱いに対し、断固として闘う」「気候変動を解決する」という3つの目標を実現するために取り決めた17の目標です。その中で今回のテーマから導き出された貧困問題を解決するために、どのようにアプローチしていけばいいか、一人ひとりにこの17の目標から選んでもらい、意見を述べてもらいました。

貧困や飢えの根絶や公衆衛生などの具体的な要因だけでなく、仕事や経済発展、不平等の緩和、平和やパートナーシップが必要など本学院のモットーでも「誠実・隣人愛・喜び」につながるような意見も出されました。

貧困問題について一人ひとりが向き合った状態で、次に3チームに分かれてもらいました。グループで取り組む課題は、グローバルゴールズの中から目標をひとつ選び、どのように解決するかを模造紙にまとめたことをプレゼンテーションするというもの。
プレゼンテーションでグループごとに解決のために出した答えはそれぞれ違いました。あるチームは、質の高い教育を受けることが最終的には経済発展につながり貧困問題の解決につながると発表。食べ物を残さずに食べる、チャリティーに参加するなど具体的に今できることを提言するチームもあれば、パートナーシップによりお互い助け合うことが貧困問題の解決、そして世界平和につながるとの話もありました。それは、本学院のモットーである「誠実・隣人愛・喜び」という考え方が、生徒の皆さんに根付いていると気づかされるものでした。

最後に、参加してくれた生徒の皆さんに、このグループワークを体験して気づいたことを英語でスピーチすることに挑戦してもらいました。英語にすることでシンプルな言葉に置き換わり、より一人ひとりの思いが明確に見えたような気がします。その中で一番印象的に残った言葉が「視点を変えることが世界を変える」です。教育社会学や教育哲学を研究してきたアルベール先生からも、哲学とは世界を見て、世界について考えることであり、結果を出すものではありません。世界を理解するために必要なものなのですという話がありました。哲学とは考えること。これからも皆さんとの対話の中で、私たちが日々培っている学びをもっと深めていきたいと思っています。

今回の取り組みは、私立学校研究家の本間勇人先生のホンマノオト(http://pschool.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/201804-ab7d.html)にもレポートされています。


アサンプション国際中学校高等学校 校長 江川昭夫
(4月よりアサンプション国際中学校高等学校になります。)
江川校長メッセージ特別編その4